どろっぴんぐ。

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只今、移行中。[12]

こんにちは。(_ _)
番外編、ちょい見せです。




『愛も罪も』 番外編


            ✸


 h10は報告する為、司令室へと連絡を取っていた。


 すると急に司令室の様子が騒がしくなり、その内部の会話がh10に漏れて聞こえてきた。


「場所は何処だ?」


「M駅付近です。」


「医療部に直ぐ連絡して向かうように指示するんだ」


「はい」


「t30、直ぐにそっちに向かう。動かずに待っていろ。大丈夫だな、意識はあるな」


「…はい、意識はあり、ます…」


 弱々しいt30の声が聞こえてくる。t30に何かあったらしい。


 M駅はここから近い。


「指揮官、t30が何処に居るのかこちらに居場所を送ってください。私も向かいます」


 h10が言うと、t30の居場所がゴーグルに映し出された。t30の発信機が赤く点滅している。h10は急いで車で向かった。




 現場に着くとt30が通路に横たわっていた。h10は駆け寄ってt30の容態を見る。


 t30の体の周りにポタポタと血痕が落ちてあり、倒れているt30の体の下には血溜りが出来ていた。どうやら腹部を刃物で刺されたらしい。ディスポウザーの持っている刀ではこんな傷は出来ない。


「…t30…」


 h10はt30の横に屈んで顔色を見た。t30は蒼白で額に汗を滲ませていた。


「…t30、判るか?」


 h10の呼びかけに、t30はゆっくりと目を開けた。


「…h10」


「直ぐに医療部員が来る。意識をしっかり持て」


「始末…まだ…始末、して…ない」


 t30は息を乱して弱々しい声で言う。


「逃亡…され、るとマ…ズイ…追って…始末…」


「判ってる。私が始末する。もう話すな。何も心配するな」


 h10がそう言うと、安心したのか、t30は再び目を瞑った。


 h10は傍に投げられている刀を手に取り、元のチップへと形を戻して、それをt30のワークパンツに装着してあるケースへとしまった。そしてt30が嵌めているゴーグルに手を伸ばし、


「借りるぞ」


 と言ってそれを外し、自分の着けているゴーグルを首へと掛けて、代わりにt30のゴーグルを嵌めた。

「司令室、こちらh10です。t30の位置は確認出来ていますか?」


「確認してます」


「これから私がターゲットを追跡し始末します。t30のゴーグルを装備して行きます」


「了解」


 h10はt30の肩に手を置き、


「直ぐだ。直ぐに医療部員が来る。辛抱だ」


 と言った。


 言葉は話さずも、目を開けゆっくり瞬きをしたt30を見て、意識があるのを確認すると、その場から離れてターゲットを追った。








以上、ちょい見せの終了です。

お気づきの方もいるでしょうが、h10 = a2です。
何故h10となっているのかは…今となっては謎です。(名前を変えようと考えていたのか?)
これは多分、始まりの始まり、思いつきで考えた事を書いていったのだと…
なので、名前など決まっていなくて、ターゲットの名前も太郎で書いてありました。
さすがにそれでここに載せるのは…と思い、急遽名前を考えたという…。

時間背景?としては、『愛も罪も』より前の設定で、
恐らく、a2は冷血じゃないんだよ というのを書きたかったのだと思います。

では、『樛結…』を投稿し終わった頃、またここで色々と話したいと思います。
 m(_ _)m


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