どろっぴんぐ。

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只今、移行中。[04]

『愛も罪も』のまた別の番外編の予告第二弾、『終幕への光』です。
ではチラッとだけどうぞ。ʕ•ٹ•ʔノ


   終幕への光


   第一章 朧の谺


       1

「ーーもう二ヶ月も経つぞ。そろそろどうするか話し合った方がいいんじゃないか。ずっとこのままって訳にもいかんだろ」

 草臥れた煙草を口に加えたまま賢之が諭す口調で言った。所狭しと茶碗が並んだ乱雑な作業場の床に胡坐をかいて座っている。茶碗に上薬をかけながら台へと並べてゆく作業をしていた。その手を休めて一服している所だった。俯いた顔のその眉が厳しい表情をしている。

「…けど、以前話を訊き出そうとした時、過呼吸で苦しんだ事があったし、やっぱり無理強いはさせられない。自然に記憶が戻るまで待つしかないよ」

 入り口の戸を開けたまま敷居を跨いで、その柱を後ろ手に掴むようにして、凭れている雪は、賢之から視線を逸らしたまま静かに言った。

「悠長な事言ってんな。せめて病院へ通わせるとか警察へ連れて行くとかしないと、何も変わらんぞ。なんでそれをしないんだ?」

 片方の眉を歪ませて、顔は動かさず正面に居る雪に視線だけを向けた。

「それは…多分、相手がそれを望んでないから」

 雪はそのまま視線を合わせようとはしない。

「おいおい、いつから慈善保護活動をするようになったんだ?」

 呆れた口調で言う。

「二ヶ月前からだよ」

 

 



と、ここまでです。続きはいつの日か…。 m(_ _)m


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